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管理権原者と防火管理制度
消防法では、防火対象物におけるソフト面での予防体制として、防火管理制度を設けています。
火災などの災害発生を防止し、被害を軽減するために、必要最小限度の義務を防火対象物の所有者・管理者・占有者等に課しているものです。
防火管理制度は、管理について権原を有する者(管理権原者)が、防火管理者を選任して、管理権原者の指示のもとに消防計画を作成し、防火管理上必要な業務を行わせることとしています。
防火管理に係る消防計画
防火管理者が行う業務のうち、「防火管理に係る消防計画」の作成は、大変重要になります。
「防火管理に係る消防計画」は、防火対象物やテナントごとに防火・防災上の危険要因が異なるため、火災が発生しないように、また、万一火災が発生した場合に被害を最小限にするため、実態にあった計画をあらかじめ定め、職場内の全員に守らせて、実行させるものです。
「防火管理に係る消防計画」に定める事項は、おおむね下記のとおりです。
小規模施設 | 中規模施設 | 大規模施設 | |
新規 | 22,000円~ | 33,000円~ | 55,000円~ |
変更 | 11,000円~ | 22,000円~ | 33,000円~ |
占有面積 | 500㎡未満の施設 | 3,000㎡未満の施設 | 3,000㎡以上の施設 |
消防計画に定める事項
消防計画は、応急活動上の訓練の実施、消防用設備等の点検・整備、火気の使用・取扱いに関する監督、避難・防火上必要な構造・設備の維持管理、収容人員の管理など、防火・防災管理業務を行う上で必要な事項を定めるものです。
- 消防計画の適用範囲
- 管理権原者及び防火管理者の業務と権限
- 管理権原の及ぶ範囲 (管理権原の分かれている防火対象物の場合)
- 火災予防上の自主検査
- 防火上の構造の維持管理
- 消防用設備等の点検・整備
- 火気の取扱い
- 放火防止対策
- 工事中における安全対策
- 避難施設の維持管理
- 収容人員の適正管理
- 防火・防災教育
- 消防機関との連絡等
- 防火管理業務の一部委託
- 自衛消防の組織
- 自衛消防活動
- 営業時間外等の防火管理体制
- 自衛消防訓練の実施
- 震災対策
年2回の消火訓練及び避難訓練で満足していませんか?
消防法では、上記のように特定防火対象物には、年2回以上の消火訓練及び避難訓練を義務付ています。
しかし、ほとんどの事業所では、人事異動で新体制になった年度当初に「消防計画」を見直し、春と秋に訓練を実施するというパターンが多いのではないでしょうか。
防火管理者は、訓練前に訓練用マニュアルを作成して担当者に配付説明をし、訓練に臨んではいないでしょうか。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、東京ディズニーリゾートに約7万人が来場していたそうです。
来場者を救ったのは、年間180回の「震度6、来場者10万人」を想定した防災訓練だと思います。
災害時において、最も重要なものは、「とっさの判断力」です。
年間180回の防災訓練で「とっさの判断力」が身についていたスタッフが、臨機応変に対応ができたのだと思います。
交代制の事業所では、年2回の訓練に1度も参加しなかったという従業員も出てくるのではないでしょうか。
東京ディズニーリゾートでは、年間180回の防災訓練を実施していますので、1度も参加しなかったというスタッフはいないと思います。
企業が防火防災を考えるうえで、訓練のマニュアルの作成や訓練のマニュアルに応じた訓練をすることも大切だと思います。
しかし、それ以上に重要なのは、ひとりの防火防災管理者に任せっきりにするのではなく、企業が防火防災についての考え方を確立し、それを末端まで行きわたらせることです。
それができて初めて、「とっさの判断力」でマニュアル以上の行動がとれるようになるのです。
報酬額
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PDCAサイクルの採用
被害の想定や必要な対応行動が十分かどうか、それに応じた体制が備えられているかどうか等について、訓練等を通じて定期的に見直し、改善していく仕組み(PDCAサイクル)を消防計画に盛り込んでおくことが重要です。
お任せください!
長年、危機管理の仕事をしておりましたので、仕事で培った経験をもとに、当事務所では消防計画の作成や訓練の実施方法等のアドバイスやコンサルティングをしております。