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凍結口座の解約・名義変更

口座名義人が亡くなられたことを金融機関が知ると、口座が凍結されます。
これは、どこのだれかわからない人に、勝手に引き出されないようにするためです。
遺族や遺言執行者等が、預貯金の払戻しの手続きを行う必要がありますので、通帳と印鑑のほかに一般的な提出書類についてご説明いたします。
くわしくは、お取引の金融機関にご相談ください。
また、口座名義人の預貯金が遺産分割の対象となる場合には、遺産分割が終了するまでの間、相続人単独では払戻しを受けられませんでしたが、2019年7月1日から遺産分割前の相続預貯金の払戻し制度が施行され、一定額の払戻しを受けられるようになりましたので、ご説明いたします。
遺言書がない場合
(1) 遺産分割協議書がある場合
遺産分割協議書がある場合の手続きには、おおむね次の書類が必要となりますが、くわしくは、お取引の金融機関にご相談ください。
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名と実印の押印)
- 被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書
(生まれた時から亡くなられたときまでの連続した戸籍謄本) - 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の印鑑証明書
(2) 遺産分割協議書がない場合
遺産分割協議書がない場合の手続きには、おおむね次の書類が必要となりますが、くわしくは、お取引の金融機関にご相談ください。
- 被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書
(生まれた時から亡くなられたときまでの連続した戸籍謄本) - 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の印鑑証明書
遺言書がある場合
遺言相続の場合、「遺言書」の内容により、手続きや必要となる書類が異なりますので、お取引の金融機関にご相談ください。
- 遺言書
- 検認調書または検認済証明書
(自筆証書遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言と公正証書遺言以外の場合) - 被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書
(生まれた時から亡くなられたときまでの連続した戸籍謄本) - その預金を相続される方(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)の印鑑証明書
- 遺言執行者の選任審判所謄本(裁判所で遺言執行者が選任されている場合)
遺産分割前の相続預金の払戻し制度
2019年7月1日から、遺産分割が終了する前であっても、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのためにお金が必要になった場合に、払戻しを受けられる制度が設けられました。
家庭裁判所の判断を経ずに払い戻しができる制度
- 各相続人は、相続預金のうち、口座ごと(定期貯金の場合は明細ごと)に下記の計算式で求められる額を金融機関から単独で払い戻しを受けることができます。
- ただし、同一の金融機関(同一の金融機関の複数の支店に相続預金がある場合はその全支店)からの払戻しは150万円がじょうげんになります。
単独で払い戻しができる額
= 相続開始時の預金額 × 1/3 ×払戻しを行う相続人の法定相続分
(口座・明細基準)
凡例
相続人が長男と長女の2名で、相続開始時の預金額が1口座の普通預金600万円の場合
長男が単独で払い戻しができる額=600万円×1/3×1/2=100万円となります。
必要な書類
遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用には、本人確認書類に加え、下記の書類が必要となります。
ただし、お取引金融機関により、必要となる書類が異なる場合がありますので、くわしくは、お取引金融機関にお問い合わせください。
- 被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書
(生まれた時から亡くなられたときまでの連続した戸籍謄本) - 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 預金の払戻しを希望される方の印鑑証明書
家庭裁判所の判断により払い戻しができる制度
- 家庭裁判所に遺産の分割の審判や調停が申し立てられている場合に、各相続人は、家庭裁判所へ申し立ててその審判を得ることにより、相続預金の全部または一部を仮に取得し、金融機関から単独で払戻しを受けることができます。
- ただし、生活費の支弁等の事情により相続預金の仮払いの必要性が認められ、かつ、他の共同相続人の利益を害しない場合に限られます。
単独で払い戻しができる額 = 家庭裁判所が仮取得を認めた金額
必要な書類
遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用には、本人確認書類に加え、下記の書類が必要となります。
ただし、お取引金融機関により、必要となる書類が異なる場合がありますので、くわしくは、お取引金融機関にお問い合わせください。
- 家庭裁判所の審判書謄本
(審判書上確定表示がない場合は、さらに審判確定証明書も必要) - 預金の払戻しを希望される方の印鑑証明書