令和7年6月13日に議員立法により成立し、公布された「行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号。以下「改正法」という。)」が、令和8年1月1日に施行されました。
改正された行政書士法の「行政書士の業務」について
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、以下に掲げる事務を業とすることとされています。ただし、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができません。
- 官公署に提出する書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること
- 官公署に提出する書類について、その提出の手続及び当該官公署に提出する許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること
- 行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること
※ 当該業務は、日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限り、行うことができます。 - 契約その他に関する書類を代理人として作成すること
- 行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること
行政書士又は行政書士でない者の業務の制限
上記1.の「官公署に提出する書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること」は、行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、他人の依頼を受け、「手数料」や「コンサルタント料」等いかなる名目によるかを問わず、対価を受領して、業として行うことはできません。
なお、違反した場合は1年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処されます。
消防法令に基づく各種手続における行政書士法違反の防止について
消防法令に基づく各種手続(火災予防、危険物保安及び石油コンビナート等の保安の各分野における手続をいう。)においても、行政書士等でない者が防火対象物の関係者等に代わって提出書類の作成を行うことは、行政書士法違反に該当する可能性があります。
下記のとおり、一例として「消防用設備等設置届出書」を記載しましたので、参考にしてください。
※参考:消防法令に基づく各種手続における行政書士法違反の防止について(通知)令和7年2月25日(250225_yobou_1.pdf)
消防法令における主な届出の一覧
| 名 称 | 根拠法令 | 届出者 | 届出先 |
| 消防用設備等設置届出書 | 消防法第17条の3の2 | 防火対象物の関係者 | 消防長又は消防署長 |
| 消防用設備等点検結果報告書 | 消防法第17条の3の3 | 防火対象物の関係者 | 消防長又は消防署長 |
| 工事整備対象設備等着工届出書 | 消防法第17条の14 | 甲種消防設備士 | 消防長又は消防署長 |
| 防火・防災管理者選任(解任)届 出書 | 消防法第8条 消防法第36条 | 防火対象物の管理権原者 | 消防長又は消防署長 |
| 消防計画作成(変更)届出書 | 消防法第8条 消防法第36条 | 防火対象物の防火・防災管理者 | 消防長又は消防署長 |
| 防火対象物点検結果報告書 | 消防法第8条の2の2 | 防火対象物の管理権原者 | 消防長又は消防署長 |
| 防災管理点検結果報告書 | 消防法第36条 | 防火対象物の管理権原者 | 消防長又は消防署長 |
消防法令に基づく各種手続にかかる行政書士法第19条の解釈
| 〇消防設備士等は、依頼者からの求めに応じ、消防設備の工事、整備、点検等を行い、依頼 者に対し完了の報告をすること等を業としている。 〇一方、行政書士法第1条の2第1項において、「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得 て、官公署に提出する書類(中略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする」とされている。 〇このため、消防設備士は、消防署等の官公署に提出する書類等の作成を行うことはできないが、他方、書類の作成であっても、提出書類に添付される疎明資料等の作成に止まるような場合については、ただちには行政書士法第19条の規定に該当しないものと考えられる。 |
(例)設置届の場合
| 消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)(抄) (消防用設備等又は特殊消防用設備等の届出及び検査) 第三十一条の三 法第十七条の三の二の規定による検査を受けようとする防火対象物の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置に係る工事が完了した場合において、その旨を工事が完了した日から四日以内に消防長又は消防署長に別記様式第一号の二の三の届出書に、次の各号に掲げる区分に応じて、当該各号に定める書類を添えて届け出なければならない。 | ①防火対象物の関係者が作成するもの →消防設備士が代理で作成すると、行政書士法違反に該当する可能性がある |
| 一 消防用設備等 当該設置に係る消防用設備等に関する図書で次に掲げるもの及び消防用設備等試験結果報告書 イ 平面図 ロ 配管及び配線の系統図 二 特殊消防用設備等 当該設置に係る特殊消防用設備等に関する図書で前号イ及びロに掲げるもの、法第十七条第三項に規定する設備等設置維持計画(以下「設備等設置維持計画」という。)並びに特殊消防用設備等試験結果報告書 | ②提出書類に添付される疎明資料等 →消防設備士等が作成しても、ただちには行政書士法第19条の規定に該当しない |


